痔でお尻が痛い|お尻の中でも肛門に痛みがある3つの原因
痔でお尻が痛い、お尻の中でも肛門に痛みがある場合、3つの原因が考えられます。
それはいぼ痔、切れ痔、痔ろうと呼ばれる痔です。
日本人の3人に1人は痔だといわれ、国民病だともいわれています。
痔は早く治療を始めることが根治につながります。
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痔かもしれないと思ったら、早めにすぐに専門医に診てもらいましょう。
痔でお尻が痛い時の3つの痔はどのような痔なのか、それぞれについて紹介します。
痔でお尻が痛い「いぼ痔」
いぼ痔の痛み
痔でお尻が痛いもので一番多いのがいぼ痔です。
大人の約2割はいぼ痔の経験者だと言われています。
お尻の痛みはピリピリとした鋭い痛みであったり、ズキズキとした疼痛など人によって様々な痛みを感じます。
痛みの度合いも人によって違います。
軽ければ違和感があるくらいですし、重ければおしりが痛いどころか、歩くことも困難なほどの激痛に見舞われる場合があります。
肛門の近くには静脈が通っていて、この静脈が膨らんでコブのようになったものを痔核といいます。
痔核はさらに肛門の皮膚と粘膜の合わさる歯状線(しじょうせん)という場所よりも内側に出来たものを「内痔核」といいます。
内痔核の場合、痛みはあまりありませんが出血することが多いです。
歯状線よりも外側に出来たものを「外痔核」といい、外痔核の場合、出血はしませんが腫れると激痛となることが多いです。
出来る原因
一番多いのは、便秘や下痢などにより、トイレ時間が長くて排便時のいきみが強いと起こります。
長時間同じ姿勢でいたり、座りっぱなしも多い原因です。
過度の喫煙やアルコール摂取、ストレスでも出来ます。
また、妊婦さんが出産した時になることが多いのもいぼ痔の特徴です。
改善策
基本は生活習慣を見直したり、食生活を改善したりして、治療薬を使っての治療となります。
外痔核は肛門の外側に出来るので比較的楽による治療がしやすいです。
内痔核だと肛門の中に腫れものが出来てしまうので、症状がひどくなければ薬で治していくことが出来ますが、ひどい場合には痔核に極細の針で薬を注入する注射療法や手術による切除が必要となります。
痔でお尻が痛い「切れ痔」
切れ痔の痛み
切れ痔は専門用語だと「裂肛」と言います。
字の如く切れ痔とは肛門が裂けた状態のことをいい、肛門には痛みを感じる神経が通っていますから、便秘や下痢などといった便通異常があると、排便時に裂けた状態の傷口を便が通過するたびに、強い痛みを感じます。
切れ痔になると痛みが強いので、排便時の痛みは相当なものとなります。
それが嫌で極力排便を我慢してしまいがちになるほどの痛みです。
排便を我慢してしまいがちになることが影響して、便秘になる方も少なくありません。
その結果、いざ排便をする時には、硬く肥大した便を出さなければいけなくなり、このことが原因でさらに切れ痔が進行してしまうという悪循環がよく起こりがちです。
切れ痔は痛みと共に出血がみられます。
といっても出血はトイレットペーパーにちょっと付着する程度であって、そう多くはありません。
出来る原因
切れ痔が出来る主な原因は、便秘時の硬い便です。
便秘によって体内に長く溜まっていた便は硬く肥大してしまっています。
これを排便する時には、肛門の大きさ以上に無理をすることになるので、肛門が裂け周りの皮膚を傷付けてしまうのです。
反対に便が緩すぎても切れ痔になります。
下痢などによって便に水分が多すぎる状態だと排便する時、勢いが良過ぎる便が肛門を通過することになります。
これも皮膚を傷つけてしまうので、便秘同様切れ痔が出来る原因となります。
体質的に切れ痔になりやすい方もいます。
切れ痔は肛門周辺の皮膚が切れてしまうことなので、元々肛門が狭い方は便秘でなくても排便によって切れてしまい、切れ痔になりやすいです。
改善策
便秘は切れ痔の大きな原因となりますので、まずは便秘にならないことが挙げられます。
生活習慣の見直しや食生活の改善をして、いつも快便にすることが大切です。
女性の方は便秘になりやすいので、切れ痔の方も多いです。
切れ痔の治療はまずは便秘の改善です。
切れ痔の約7割は薬による保存的治療で改善します。
注入軟膏をつけて便通を良くしていけば改善します。
肛門が裂けた状態が慢性化してしまうと、直腸と肛門の境目の歯状線という所にある肛門乳頭というものがイボ状のかたまりに大きくなってしまいます。
これを肛門ポリープといい、これが出来た切れ痔は薬による保存的治療では改善しないこともあります。
その場合には手術が必要となります。
痔でお尻が痛い「痔ろう」
痔ろうの痛み
痔でお尻が痛い場合に痔ろうという膿の通り道が出来てしまうものがあります。
痔ろうは肛門の周りが化膿して膿がたまります。
たまった膿は皮膚を突き破って膿の通り道となるトンネルのようなものを作ります。
このトンネルのような通り道から膿が漏れ出しているというのが痔ろうです。
痔ろうは肛門周辺に穴が開くということになります。
肛門の穴とは別の膿の通り道となるトンネルのような穴が出来てしまうことから、痔ろうは別名「あな痔」と呼ばれています。
痔瘻は膿が漏れ出て、肛門付近にズキズキとした痛みが出ます。
排便時には強い痛みとなって出ます。
出来る原因
痔ろうが出来る原因は下痢です。
痔ろうは、直腸と肛門の境目の歯状線という所にある肛門陰窩(こうもんいんか)というくぼみに下痢による便が入ってしまい、便に含まれる細菌に感染して起こります。
肛門陰窩には、普通は便が入り込むことはないのですが、下痢をしていると便が入りやすくなります。
そして肛門の周りが化膿して膿がたまります。
痔ろうが出来るもうひとつの原因が温水便座です。
温水便座の使用により肛門の中に温水が入ると下痢と同じ状況になるからです。
温水便座の使用が原因の痔ろうは増加傾向にあります。
また、痔瘻を長期間放置していると痔ろうが枝分かれして、めったにありませんが痔瘻癌というものが発生することもあります。
改善策
痔ろうは肛門の奥の肛門陰窩に出来るものなので、注入軟膏などによる肛門の外にある出口を治療しても治りません。
トンネルのような穴がふさがったら治ったと勘違いされる方もいます。
しかし痔ろうは生活習慣の見直しや食生活の改善をし、治療薬を使っての治療をしても治らず、根治出来るのは手術のみとなっています。
痔ろうが疑われるようでしたら、早急にお医者さんに診てもらうようにしましょう。
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