パン作りを始めようと思った時、「あれ?うちのレンジに発酵モードがない…」と気づいて、手が止まってしまうこと、ありますよね?
私は「やっぱり専用の機械がないとダメなのかな…」とあきらめそうになったことがあります。
でも、調べてみると、オーブンに発酵機能がなしの場合でも、パン生地を発酵させる方法はたくさんあるんです。
例えば、湯煎で温めたり、意外なものを使って発酵器の代用にしたり。中にはこたつを使う方法なんてのもあるみたいです。
特にパン作りのキモとなる一次発酵や二次発酵を、室温や家にあるものでどう乗り切るか。
この記事では、そんな「レンジに発酵モードがない」というお悩みを解決するための、具体的なテクニックや知識をまとめてみました。
- 発酵モードがなくてもパンが作れる理由
- 家庭でできる具体的な発酵テクニック
- 失敗しないための発酵の「見極め方」
- 発酵が不要なパンという選択肢
レンジに発酵モードがない時の基礎知識

「発酵モード」って、そもそも何をしている機能なんでしょうか?
パン作りを成功させるには、まず「発酵」そのものを理解するのが近道みたいです。
ここでは、発酵に必要な条件や、やりがちな失敗例について見ていきましょう。
パン発酵に必要な条件とは?
パン作りで「発酵」と聞くと、なんだか特別な機械が必要な気がしますよね。
でも、実はパン生地が膨らむ仕組みはとてもシンプルなんです。
主役は「イースト(酵母)」です。
イーストが生地の中の糖分を食べて、炭酸ガスとアルコールを出すことで、生地がプクーッと膨らむわけです。
私たちがやることは、このイーストが元気に活動できる環境を整えてあげることだけなんですね。
その環境とは、突き詰めるとたった2つです。
- 適切な温度(30~40℃くらい)
- 適切な湿度(70~85%くらい)
イーストは寒すぎると活動が鈍くなり、逆に熱すぎると(特に60℃以上)死んでしまいます。
だから、30~40℃という「ぬるま湯」くらいの温度が一番活発になるんですね。
また、湿度が低いと生地の表面が乾燥してカピカピになってしまいます。
表面が固い膜のようになると、イーストがガスを出しても内側から膨らむことができず、目が詰まった硬いパンになってしまうんです。
つまり、「発酵モード」というのは、この「温度と湿度を自動で保ってくれる便利な機能」というだけ。
この2つの条件さえクリアできれば、レンジの機能がなくてもパンはちゃんと発酵できる、ということなんです。
レンジの弱機能は代用不可?

「レンジ 発酵モードない」で検索すると、「電子レンジの弱機能(150Wとか200W)で数十秒チンする」という方法が出てくることがあります。
私もこれを見た時、「あ、これでいいんだ!」と一瞬思ったんです。
でも、これは大きなリスクがあるみたいなので注意が必要ですね。
そもそもオーブンの発酵機能が庫内の「空気」を温めるのに対して、電子レンジの「弱」はマイクロ波で生地内部の「水分」を直接温めます。
これは「発酵させる」というより、「強制的に内部から温めて、発酵を無理やり促す」という、かなり高度なテクニックのようです。
「レンジ弱」のリスク
- 加熱ムラ: マイクロ波の特性で、必ずムラができます。
一部は温まらず、一部は熱でイーストが死んでしまうかも。 - 乾燥: 内部の水分が飛ぶので、生地が乾燥しやすくなります。
- 致命的な失敗: ちょっとでも加熱しすぎると、生地の一部が「茹で上がった」状態になり、二度と膨らまなくなるそうです…。
これは、パン作りに慣れた上級者が「時短」のために使う技であって、私たちが安定して美味しいパンを焼くための方法としては、正直おすすめできないなと感じました。
安全策をとるなら、この方法は避けたほうが賢明ですね。
発酵の「見極め方」が最重要

レンジの発酵モードがない場合、私たちは家にあるもので発酵環境を「自作」することになります(方法は後ほど詳しく!)。
でも、手作りの環境って、どうしても温度が不安定になりがちですよね。
だからこそ、レシピに書いてある「30℃で60分」といった時間は、あくまで目安でしかない、と考えるのが大事みたいです。
室温が低ければもっと時間がかかるし、高ければ早く終わります。
そこで重要になるのが、「時間」ではなく「生地の状態」で判断する「見極め」のスキルです。
これさえできれば、環境が不安定でも失敗がグッと減るはずです。
一次発酵のチェック(フィンガーチェック)
生地の大きさが約2倍に膨らんだら、いよいよチェックです。
これが一番確実な方法ですね。
- 指に打ち粉(強力粉)をつけます。
- 生地の真ん中に、第二関節くらいまで指を差し込みます。
- そっと指を抜きます。
【状態の判断】
発酵完了: 指を抜いた穴が、少し縮むけど「ちゃんと残っている」状態。
発酵不足: 穴がすぐに押し戻されて、閉じてしまう状態。→ あと5分、10分と延長します。
過発酵: 穴が全く縮まず、生地全体がしぼむ感じがする状態。こうなるとちょっと手遅れかも…。
二次発酵のチェック(指で押す)
成形した後のデリケートな生地には、フィンガーチェックは使えません。
二次発酵は焼き上がりに直結するので、優しくチェックします。
大きさがひとまわり(1.5倍くらい)膨らんだら、生地の側面を指の腹でそっと押してみます。
発酵完了のサインは、押した跡が「ゆっくりと指に吸い付くように戻ってくる」状態です。
跳ね返ってきたら不足、跡が戻らなかったら過発酵のサイン。
天板を揺らして「プリンのようにふわふわ揺れる」のも目安になるそうですよ。
一次発酵と二次発酵の違い

パン作りには「一次発酵」と「二次発酵(最終発酵)」がありますよね。
どちらも「発酵」と名前がついていますが、実は目的がちょっと違うんです。
これを意識すると、パン作りがもっと面白くなるかもしれません。
一次発酵
生地をこね上げた後、最初にとる発酵です。
ここでの目的は、単に生地を膨らませるだけではありません。
イーストにしっかり働いてもらって、パンの「風味や旨味(アルコールなど)」を生み出し、同時に生地の「骨格(グルテン)」を強くしなやかに育てる、
「生地を熟成させる」ための大切な時間なんです。
だから、比較的じっくりと時間をかけることが多いんですね。
二次発酵(最終発酵)
一次発酵が終わってガス抜きをし、生地を成形(好きな形にする)した「後」に行います。
ここでの目的は、成形で潰れてしまったガスを再び発生させて、「焼き上げる直前の最後の膨らみ」を得ることです。
この膨らみが、そのまま焼き上がりの「ふわふわ感」や「軽い食感」に直結します。
一次発酵が「味と骨格」なら、二次発酵は「食感とボリューム」を決める、というイメージでしょうか。
だから、二次発酵は一次発酵ほど時間は長くないですが、ここで失敗すると食感が悪くなるので、見極めがとても重要になるわけですね。
レンジに発酵モードがない時の代替策

発酵の理屈がわかったところで、いよいよ実践です!
「温度30~40℃、湿度70~85%」の環境を、家にあるもので作るテクニックを紹介します。
意外と「あ、それならできるかも」という方法が見つかると思いますよ。
オーブン発酵機能なしの場合
オーブンレンジに「オーブン機能」はあるけど、「発酵機能」だけがない、というケースは多いですよね。
私もそうでした。
そんな時、そのオーブンレンジの庫内(電源はオフ!)を「保温箱」として使うのが一番手軽で確実な方法です。
やり方はとても簡単です。
- 天板に、生地を乗せたボウルや成形した生地を置きます。
- 耐熱性のカップや小さめのボウルに熱湯を注ぎます。
- 生地を乗せた天板と一緒に、熱湯のカップも庫内に入れます。
- オーブンの扉をピッタリ閉めて密閉します。
これだけです。
密閉された空間で熱湯の蒸気が充満することで、庫内の「温度」と「湿度」を同時に高めてくれるんですね。
オーブン庫内はもともと密閉性が高いので、温度と湿度が保たれやすいのが最大のメリットです。
【ちょっとしたコツ】
一次発酵のように1時間近くかかる場合、途中で熱湯が冷めて庫内の温度が下がってしまいます。
30分に1回くらい様子を見て、お湯がぬるくなっていたら新しい熱湯に交換すると、温度を安定させやすいですよ。
この方法は、特別な道具を何も買わずに、今すぐ試せるのがいいですよね。
生地の乾燥対策として、ボウルにはラップをかけるか、成形した生地には固く絞った濡れ布巾をかけておくと、さらに万全です。
湯煎を使った手軽な発酵方法

主に一次発酵の時にすごく便利なのが、この「湯煎(ゆせん)」、別名ウォーターバスという方法です。
ボウルで生地をこねた後、そのまま発酵に移れるので手軽ですよ。
これもやり方はシンプルです。
- 生地を入れたボウルよりも、一回り大きなボウル(またはフライパンや鍋)を用意します。
- 大きなボウルに、40℃くらいのお湯(お風呂より少しぬるいくらい)を張ります。
- そこに、生地の入ったボウルを浮かべます。
- 生地の乾燥を防ぐため、ボウルにラップをかけるか、全体を大きなビニール袋などで覆います。
こうすることで、お湯の熱が生地のボウルに伝わって、生地を直接温めることができます。
オーブン庫内を使う方法よりも、温度がダイレクトに伝わるのが特徴ですね。
ただし、この方法には注意点もあります。
【湯煎の注意点】
お湯が熱すぎると、ボウルの底に接している部分の生地だけ温度が上がりすぎて、イーストが死んでしまう可能性があります。
必ず「40℃以下のぬるま湯」を守ることが大切です。
また、お湯が冷めやすいので、こまめにお湯の温度をチェックして、ぬるくなったら差し湯をする必要があります。
少し手間はかかりますが、目の届くところで温度管理ができるのは安心かもしれません。
ただし、成形した後の二次発酵にはちょっと使いにくい方法ですね。
室温やこたつでの発酵のコツ

実は、一番シンプルなのは「室温で放っておく」ことです。
もちろん、冬場の寒い部屋では10℃くらいしかないので、発酵に何時間もかかってしまいますが、夏場で室温が25~30℃くらいある日なら、特別な保温をしなくても十分発酵できます。
その場合、生地が乾燥しないように、固く絞った濡れ布巾をかけたり、ラップをしたりするだけでOKです。
時間は少しかかるかもしれませんが、これが一番自然な発酵方法かもしれませんね。
そして、昔からよく聞くのが「こたつ」を使う方法です。
こたつの中は、確かに安定して温かい空間ですよね。
ただし、現代のこたつを使う場合は、ちょっと注意が必要みたいです。
【こたつの注意点】
最近のこたつは性能が良くて、「弱」設定でもパンの発酵には温度が高すぎること(40℃以上)があります。
イーストが死んでしまう危険があるので、使う前に必ず温度計を入れて実際の温度を測ってみてください。
もし温度が高すぎる場合は、電源を入れずに「保温箱」としてだけ使うか、電源を時々入れたり切ったりして調節する必要がありそうです。
生地をヒーターの近くに直接置かず、こたつの中心に置くなどの工夫もいりますね。
安全に使うには、ちょっとコツが要る方法かな、と私は思います。
発泡スチロールで簡易発酵器

これは「簡易発酵器」を自作するアイデアですが、発泡スチロールの箱を使うのは、かなり優秀な方法みたいです。
発泡スチロールは、皆さんもご存知の通り、断熱性が抜群ですよね。
これを利用して、オーブン庫内のように「密閉された保温箱」を作るわけです。
使い方は、オーブン庫内利用の応用編です。
- 発泡スチロールの箱の底に、熱湯を入れたカップや、40℃くらいのお湯を入れたボウルを置きます。
- (もしあれば)その上に網や台を置いて、直接お湯に触れないようにします。
- 生地を乗せた天板やボウルを入れ、しっかりとフタをします。
これだけで、非常に安定した温度と湿度を長時間キープできる、手作りの発酵器が完成します。
オーブン庫内と違って、途中で熱湯を交換する頻度も少なくて済むのが大きなメリットです。
問題は、パンの天板がまるごと入るような「都合のいい大きさの発泡スチロール箱が手に入るか」ということですね…。
ホームセンターなどで探してみるか、何か大きな家電を買った時の梱包材を再利用するしかなさそうです。
保管場所も必要ですが、もし手に入るなら、これは最強のDIY発酵環境かもしれません。
専用発酵器という選択肢

DIYでの発酵管理も楽しいですが、「毎回お湯を替えたり、温度を気にするのがちょっと大変…」となってきたら、専用の機器に頼るのも賢い選択だと思います。
まず見落としがちなのが、ホームベーカリーです。
もしお持ちなら、「パン生地コース」や「発酵までコース」が搭載されていないか確認してみてください。
多くの機種では、こねから一次発酵までを全自動でやってくれます。
これだけでも、パン作りのハードルは劇的に下がりますよね。
一次発酵までをホームベーカリーに任せて、成形後の二次発酵だけをDIY環境で行う、という使い分けもすごく便利です。
そして、もっと本格的に、安定したパン作りを目指すなら、「専用発酵器」を導入する道もあります。
家庭用発酵器の主なタイプ
家庭用では、「日本ニーダー」と「大正電機」の2つのブランドが有名みたいです。
- 日本ニーダー: 折りたたみ式や組み立て式で、使わない時に収納しやすいのが特徴です。
温度設定の幅が広く(12℃~45℃など)、天然酵母やヨーグルト作りにも使える多機能なモデルが多いようです。 - 大正電機: 設置式のものが多く場所は取りますが、パンの発酵に特化した(28~41℃など)シンプルで頑丈な作りのようです。
頻繁にパンを焼く人向けの「専用機」という感じですね。
価格は数万円(3万円~6万円程度)するので、決して安い買い物ではありませんが、DIY発酵のストレスから解放され、毎回安定した品質のパンが焼けることを考えると、パン作りを趣味として長く続けるなら投資の価値は十分あるかもしれませんね。
これはあくまで「趣味を格上げする」選択肢、という感じでしょうか。
購入を検討される場合は、ご自身のパン作りの頻度や目的に合っているか、じっくり比較検討することをおすすめします。
楽天市場で日本ニーダーを見てみる⇒楽天市場
楽天市場で大正電機を見てみる⇒楽天市場
発酵させないクイックブレッド
ここまで「発酵」させる方法について色々見てきましたが、ここでちょっと発想の転換です。
「そもそも、発酵させないパンを選べばいいのでは?」という解決策もあるんです。
これは「クイックブレッド」と呼ばれるカテゴリーのパンです。
イースト(酵母)の力で膨らませる代わりに、ベーキングパウダーの化学反応で生地を膨らませます。
代表的なものだと、スコーンやソーダブレッド、パウンドケーキなどもこの仲間ですね。
クイックブレッド最大のメリットは、名前の通り「クイック」であること。
発酵時間が一切不要なので、材料を混ぜて型に入れて、すぐにオーブンで焼くだけ。1時間もかからずに焼きたてが食べられるんです。
もちろん、食感はイーストパンの「ふわふわ・もちもち」とは違い、「しっとり・ほろほろ」としたケーキやマフィンに近い感じになります。
でも、レシピにヨーグルトや絹豆腐なんかを加えると、しっとり感がアップして、これはこれですごく美味しいんですよ。
「レンジに発酵モードがない」ことがパン作りのハードルになっているなら、まずはこのクイックブレッドから始めて、「自分でパンを焼く楽しさ」を味わってみるのも、すごく良い入り口だと思います!
レンジに発酵モードがなくてもパンは焼ける
今回は、レンジに発酵モードがないというお悩みを解決する方法を色々と調べてみました。
結論としては、「発酵モードは必須ではなく、あくまで便利な機能の一つ」だということがよく分かりました。
パンの発酵に必要なのは「適切な温度と湿度」という環境であり、その環境は家にあるもので工夫すれば十分作れるんですね。
オーブン庫内を保温箱にしたり、湯煎をしたり、発泡スチロールを使ったり。こうしたDIY発酵を成功させるには、レシピの「時間」を鵜呑みにせず、自分の目で「生地の状態」を見極めるスキルが大切だということも学びました。
もちろん、毎回DIYするのが大変なら、ホームベーカリーや専用発酵器といった「環境を買う」という選択肢もありますし、いっそ発酵が不要な「クイックブレッド」を楽しむという道もあります。
レンジに発酵モードがないという一つの事実も、発想を変えれば、パン作りの科学を学んだり、自分に合ったスタイルを見つけたりする良いきっかけになるかもしれません。
ぜひ、ご自身のライフスタイルに合った方法で、パン作りを楽しんでみてくださいね!


